倒産防止共済(経営セーフティー共済)とは、取引先事業者が倒産し、売掛金債権等が回収困難になった場合に、貸付けが受けられる共済制度です。『もしも』のときの資金調達手段として当面の資金繰りをバックアップします。
経営者は、保険を活用したり、倒産防止共済を活用することにより、会社の資金繰りの改善や内部留保の充実を図ることができます。
加入条件は、業種によって異なりますが、製造業であれば資本金等の額3億円以下、従業員数300人以下、サービス業であれば資本金等の額5,000万円以下、従業員数100人以下で引き続き1年以上事業を行っていることです。
メリット
①掛金が全額経費に算入でき、最大掛金800万円まで積み立て可能
掛金は、払い込んだ時点で全額経費に算入でき、掛金月額は、5,000円~20万円で自由に選べることが可能です。掛金は、掛金総額が800万円になるまで積み立てられます。
②解約しても掛金が戻ってくる
12カ月以上掛金を納付することが条件となるが、解約した場合には掛金が戻ってくるため、節税しながら外部に貯金できていることになる。
③取引先が倒産しなくても借入可能
取引先事業者が倒産していなくても、共済契約者の方が臨時に事業資金を必要とする場合に一時貸付金として納付期間に応じて最大で納付した掛金の95%相当額を借入れ可能。
デメリット
①納付期限が40ヶ月以下の場合は元本割れ
倒産防止共済を解約した場合、今までに納付した掛金の返戻を受けることができます。40カ月以上納付をしていれば100%戻ってきますが、40カ月未満だと元本割れになってしまいます。特に12カ月未満だと掛け捨てとなってしまうので注意が必要となります。
②解約返戻金は全額が利益課税される
税法上、支給を受けた時点で法人は益金、個人事業者は事業所得の雑収入に算入されます。
総評
中小企業経営者は、資金繰りの改善(節税対策も含む)や内部留保の充実のため、保険や倒産防止共済の活用は、かなりの有効手段であります。
倒産防止共済は、掛金が全額損金可能ですので、資金的に余裕があり利益の出る会社にとっては、かなりのメリットが享受できます。
退職金目的や『もしも』のときの資金調達手段として、それぞれの会社にあった保険や倒産防止共済を活用し、強い会社を目指していってもらいたいです。
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