平成27年4月1日以後開始事業年度から、段階的に『法人実効税率』を引下げられます。
ここで、『法人実効税率』と『法人税率』の違いを説明させて頂きます。
『法人実効税率』とは、国税である法人税だけでなく、地方税(都道府県や市町村に払う税)を含めて、法人企業の利益に課税される税の実質的な負担率を示すものです。
『法人税率』は、国に払う法人税の税率だけを指します。
区分 | 現行 | 27年度 |
国の法人税率 | 25.5% | 23.9% |
国・地方の法人実効税率 | 34.62% | 32.11% |
上記のとおり、実効税率は平成27年度において2.51%引下げられます。100万円分の利益に対して、納める税額が25,100円軽減されます。なお、平成28年度の法人実効税率は31.33%となり、現行より3.29%引下げられます。
平成28年度以降の税制改正においても、法人実効税率を20%台まで引下げることを目指して、改革を継続していくこととされています。
国の法人税率(現行) | 本則税率 | 措置法軽減税率 |
年800万円以下の所得金額 | 19% | 15% |
年800万円超の所得金額 | 25.5% | ― |
なお、年間所得が800万円以下の場合の、法人税率は15%となっており、『法人実効税率』は、21%~25%となっております。この数字は、一般的な中小法人の目安であり、法人実効税率に幅を持たせているのは、事業税等の所得区分が400万円以下と800万円以下で異なるためです。
役員報酬や節税対策を考えるうえで、法人の所得(儲け・利益)が800万円を目安に考えるケースが多いのは、税率の影響があります。
法人に利益が出そうだからと言って、何も考えずに役員報酬を増額していると損をする可能性も有ります。法人課税は、引下げの方向にあり、個人課税は社会保険等を含めて引上げ傾向にあるためです。常に、法人と個人(ここでは、役員報酬)のバランスを考える必要があります。
法人税率の仕組みを把握するだけで、法人と個人トータルで手元に残る現金の額が増額する可能性があります。
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