平成26年4月1日より、消費税率が5%から8%へ改正されます。これと同時に、特定新規設立法人の規定も加わります。
新たに設立された法人の設立当初の2年間は、基準期間が存在しないため、原則的には納税義務は免除されます。
資本金が1,000万円以上で設立された法人については、基準期間が存在しない法人であっても設立当初から相当の事業規模を有する法人であると考えられることから、納税義務は免除されません。
しかし、平成18年5月の会社法施行に伴い、従来設けられた株式会社を設立する際の最低資本金制度が撤廃され、少額の資本金でも株式会社を設立することが可能となったことにより、このような制度を利用した租税回避行為が行われていました。
そこで、特定要件に該当し、大規模事業者等(課税売上高5億円超の事業者等)が出資を行い、新たに法人を設立する場合には、資本金が1,000万円未満で設立された法人であっても納税義務は免除されないこととされます。この規定は、平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人で特定新規設立法人に該当する場合に適用されます。
(1)特定要件
他の者及び他の者の親族等が直接及び間接に50%超の株式等を有する場合(対象になる会社は50%超を支配する株主グループがいる会社)
(2)他の者と特殊な関係にある法人
他の者(新規設立法人の株主に限る)及び他の者の親族等が直接及び間接に他の法人を完全に支配している法人のうち、非支配特殊関係法人以外の法人(その株主及びその株主や株主の親族等で完全に支配している会社(非支配特殊関係法人は除かれています)のいずれかの課税売上高が5億円を超える場合は免税規定が適用できません)
まとめ
現行法上、消費税の免税規定が適用できるケース
①基準期間の課税売上高が、1,000万円未満で特定期間の人件費が1,000万以下の事業者②資本金が1,000万円未満で設立一期目の法人
③開業初年度の個人事業主
④特定期間の人件費が1,000万円以下の事業者の2期目
上記から、資本金1,000万円未満で、2期目の特定期間の人件費が1,000万円以下の事業者であれば、ほとんどの新規に設立した法人は、消費税の免税規定が適用されます。通常の新規に設立した法人には、あまり、影響ないかもしれません。
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